wolfSSL/AlphaProject AP-RA6M-0A ボードデモ セットアップガイド ================================================= ## はじめに このフォルダにはルネサス社製 RA 32-bit MCU を搭載するアルファプロジェクト製 AP-RA6M-0A で wolfSSL を動作させるための手順です。 サンプルプログラムには、暗号テスト、ベンチマーク、及びクライアント・サーバーを含んでいます。 wolfSSL のプロジェクトファイルは、wolfSSL と wolfCrypt の両方で構成され、Renesas RA のコンフィグレーションを含む`Renesas RA C/C++ Library Project`としてビルドされます。 その他、ベンチマーク、暗号テスト、及びクライアント・サーバーのサンプルプログラムは、`Renesas RA C Project Using RA Library`としてビルドされます。 プロジェクトの概要と全ての関連するソフトウェアコンポーネントに関する情報を下記になります。 ### プロジェクトの概要 |要素|名前/バージョン| |:--|:--| |e2studio|2020-07| |Board|AP-RA6M-0A| |Device|R7FA6M3AH3CFC| |Toolchain|GCC ARM Embedded| |FSP Version|1.3.0| #### 必要なソフトウェアコンポーネント |コンポーネント|バージョン| |:--|:--| |Board Support Package Common Files|v1.3.0| |Arm CMSIS Version 5 - Core (M) |v5.7.0| |Board support package for R7FA6M3AH3CFC |v1.3.0| |Board support package for RA6M3|v1.3.0 | |Board support package for RA6M3 - FSP Data|v1.3.0| |FreeRTOS|v1.3.0| |FreeRTOS - Buffer Allocation 2 |v1.3.0| |FreeRTOS+TCP|v1.3.0| |r_ether to FreeRTOS+TCP Wrapper|v1.3.0| |Ethernet |v1.3.0 | |Ethernet PHY|v1.3.0| |I/O Port|v1.3.0 | |BSP-Board|v1.2.0 | ## セットアップ手順 プロジェクトのフォルダーには、ビルドに必要なファイルが不足しています。そららのファイルをダミーのプロジェクトを作成し補います。 次に続くステップは、不足しているファイルを作成し、それらを必要としているプロジェクトにコピーする手順です。 1.) [アルファプロジェクト社のホームページ](https://www.apnet.co.jp/product/ra/ap-ra6m-0a.html)からサンプルプログラムをダウンロード + ダウンロードしたサンプルプログラムを適当なフォルダーへ解凍 2.) e2Studio で'ダミー' Renesas RA C Library プロジェクトを作成 + ファイル→新規→`RA C/C++ Project`をクリック + `Renesas RA C/C++ Library Project`を選択し、次へをクリック + 'dummy_library` とプロジェクト名を入力します。 + `Board:` ドロップダウンから `EK-RA6M3T`を選択します + `RTOS: No TROS` を `FreeRTOS` を選択します。 + `Build Artifact Selection` の `Static Library`を選択し、次へをクリック + `FreeRTOS - Minimal - Static Allocation` を選択し、終了をクリック 3.) e2Studio で 'ダミー'の Renesas RA C/C++ Project Using RA Library を作成 + ファイル→新規→`RA C/C++ Project`をクリック + `Renesas RA C/C++ Library Project`を選択し、次へをクリック + 'dummy_app` とプロジェクト名を入力します。 + `Board:` ドロップダウンから `EK-RA6M3T`を選択します + `RTOS: No TROS` を `FreeRTOS` を選択しまし、次へをクリック + `Build Artifact Selection` の `Executable Using an RA Static Library`を選択し、終了をクリック + 'dummy_app` とプロジェクト名を入力し、次へクリック + `RA library project`の `Select RA Library`から, `dummy_library`を選択し、終了をクリック 4.) 全ての wolfSSL e2studio プロジェクトをインポート + メニューの「ファイル」→「ファイル・システムからプロジェクトを開く」をクリック + インポート元の `ディレクトリー...` をクリック + RA6M3 フォルダーを選択。wolfssl/IDE/Renesas/e2studio/RA6M3 + Eclipseのプロジェクトではない、RA6M3を除外します。 その他、ベンチマーク、暗号テスト、クライアント・サーバーの各プロジェクトは選択しておく。 + 終了をクリック 5.) `dummy_library`からwolfSSL_RA6M3Gへ必要なファイルをコピー + `dummy_library` と `wolfSSL_RA6M3G` プロジェクトを開く プロジェクト名横にある矢印マークをクリック + `dummy_library` の以下のフォルダーとファイルを選択 `ra/` `ra_gen/` `ra_cfg/` `script/` + 選択したフォルダーとファイルを `wolfSSL_RA6M3G`プロジェクトに貼り付け + `dummy_library`プロジェクトは削除しても構いません + `APRA6M0A.pincfg` を解凍した ap_ra6m_0a_sample\sample\ap_ra6m_0a_ether_sample から `wolfSSL_RA6M3G`プロジェクトへコピー + `wolfSSL_RA6M3G`フォルダー内の `R7FA6M3AH3CFC.pincfg` は削除します。 + プロジェクトに必要なファイルを生成します。 + `Open RA Configuration`(上部のアイコンバーにある灰色歯車ボタン)をクリック + `BSP` タブに移動し、CMSIS Pack のインポートボタンをクリック + インポート画面で、CMSIS pack ファイルを指定 ステップ 1で解凍したap_ra6m_0a_sample\sampleフォルダー中の AP.APRA6M0A.x.x.x.pack を指定します。 + `APRA6M0A` を Board として指定 + `Pins`タブに移動し、`APRA6M0A.pincfg`を選択 + `Stacks`タブに移動し、Heap 4 stack を New Stack から追加 + `Generate Project Content`(右上部にある緑色アイコン)をクリックし、ファイルを生成 + `wolfSSL_RA6M3G`をビルド 6.) `dummy_app` から必要なファイルを`./IDE/Renesas/e2studio/RA6M3/common/ra6m3g/`へコピー **NOTE:** この作業は、e2studio ではなく、Explorer などを使用します。 + `dummy_app`の以下のフォルダーをコピー `src/` `script/` + 選択したフォルダーを`./IDE/Renesas/e2studio/RA6M3/common/ra6m3g/`へコピー `(暗号テスト、ベンチマーク、クライアント・サーバーの各プロジェクトはこのフォルダーを参照)` + `dummy_app`プロジェクトは削除しても構いません 7.) ネットワーク環境について クライアント・サーバーのプロジェクト内のwolfssl_thread_entry.hにネットワーク設定があります。 それらの設定(ucIPAddress ... ucDNSServerAddress)は、ご使用のネットワーク環境に合わせて変更して してください。g_ether0_mac_address は、`wolfSSL_RA6M3G`プロジェクト内の RA configuration で定義されているデフォルトのMACアドレスです。クライアントのwolfssl_thread_entry.h は ターゲットのサーバーのSERVER_IP と DEFAULT_PORTの定義を持ちます。それらはご使用のサーバーの の設定に応じて変更してください。 ## ビルドと実行 ### 各プロジェクトをビルド 各プロジェクトで右クリックし、ビルドを選択 ### 暗号テストとベンチマークを実行 1.) プロジェクト名を選択し、右クリック\ 2.) `デバック` → `Renesas GDB Hardware Debugging`\ 3.) `J-Link ARM`を選択し、OK をクリック\ 4.) `R7FA6M3AH`を選択し、OK をクリック ### wolfSSL TLS サンプルサーバーを実行 1.) プロジェクト名を選択し、右クリック\ 2.) `デバック` → `Renesas GDB Hardware Debugging`\ 3.) `J-Link ARM`を選択し、OK をクリック\ 4.) `R7FA6M3AH`を選択し、OK をクリック\ 5.)以下のサンプルのクライアントプログラムを実行 ``` ./examples/client/client -v 4 -h "ucIPAddress" -p 11111 -A ./certs/1024/ca-cert.pem ``` **NOTE:** "ucIPAddress" はデフォルトでは "192.168.1.241" (参照: wolfssl_thread_entry.h) ### wolfSSL TLS サンプルクライアントを実行 1.)以下のサンプルのサーバープログラムを実行 ``` ./examples/server/server -b -d -p 11111 -c ./certs/1024/server-cert.pem -k ./certs/1024/server-key.pem ``` TLS 1.3 で接続する際には、引数に "-v 4" を追加します。 ``` ./examples/server/server -v 4 -b -d -p 11111 -c ./certs/1024/server-cert.pem -k ./certs/1024/server-key.pem ``` **NOTE:** wolfssl_thread_entry.h中にデフォルトのポート番号 11111 定義(DEFAULT_PORT) もし、DEFAULT_PORTを変更している場合、、上記のコマンドの "-p" の値は対応するポート番号に要変更 2.) プロジェクト名を選択し、右クリック\ 3.) `デバック` → `Renesas GDB Hardware Debugging`\ 4.) `J-Link ARM`を選択し、OK をクリック\ 5.) `R7FA6M3AH`を選択し、OK をクリック ## トラブルシューティング + サンプルのクライアント・サーバープログラムは、wolfSSL のルートディレクトリから実行する必要があります。 + user_settings.h の #define DEBUG_WOLFSSL を有効にすることで、デバックメッセージを\ `Renesas Virtual Debug Console`へ出力します。 + プロジェクトのビルドでリンクエラーが出た場合、リビルドしリフレッシュすることで解決することがあります。 [Support Forum](https://www.wolfssl.com/forums/) Support Email: support@wolfssl.com ## 参考リンク [wolfSSL Website](https://www.wolfssl.com/) [wolfSSL Wiki](https://github.com/wolfSSL/wolfssl/wiki) [wolfSSL Manual](https://wolfssl.com/wolfSSL/Docs-wolfssl-manual-toc.html) [wolfSSL API Reference](https://wolfssl.com/wolfSSL/Docs-wolfssl-manual-17-wolfssl-api-reference.html) [wolfCrypt API Reference](https://wolfssl.com/wolfSSL/Docs-wolfssl-manual-18-wolfcrypt-api-reference.html) [TLS 1.3](https://www.wolfssl.com/docs/tls13/)